マーチンコミッティーモデル
40年代から60年代にかけてこのモデルを使っていたジャズプレイヤー、コマーシャルプレイヤーの名前を挙げたらきりが無いほど人気のあったのがマーチン・コミッティーです。初期のブルーノート時代のF.Bessonの使用を除けばマイルス・デイビスの写真には必ずこのモデルが映っていた、といっても過言ではありません。また最近はクリス・ボッティがラージボアのコミッティー・ハンドクラフトを愛用しているためか、発売から70年以上たっても高い評価を得ています。シルキーの創設者のレオナルド・シルキー、ベンジの創設者のエルデン・ベンジ、レイノルズの創設者のフォスター・レイノルズの3氏の共同デザインと言われていますが、後にシルキー氏の言によれば、そのほとんどを彼がデザインしたとの事。リバースチューニングスライド、バルブケーシングやバルブケーシングの繋ぎ管のデザインがそっくりなのもその証拠かもしれません。Adams, Taylor, Kanstul, R. Lawlerがコミッティーをコピーしたモデルを作っており、またシルキーもコピーではありませんが、ラージボアのコミッティーを彷彿させるHCモデルを発表しています。
コンディション
マーチンコミッティーの後期イヤーと言われる1961年前半に製造されたミディアムボアのLaw Brassモデルです。ラッカーを剥いでいる可能性もありますが、ベルの刻印、シリアル番号の刻印が非常に鮮明に残っている事から元々Law Brassのモデルの可能性もありますが定かではありません。ピストンボタンにはラッカーが90%以上残っていて、これは後から交換したものと思われますが、オリジナルのボタンがほぼ完璧なのも貴重です。修理の痕跡は見られません、またピストンの気密性もビンテージにしては良好で、スライドの動きもスムースです。写真でご覧いただけるようにマウスパイプに傷がありますが、大変良好な個体が発するオーラの中では気にならない程度と思います。ダークで楽器が自然と次のフレーズを教えてくれるような他のモデルでは得られない吹奏感とサウンドはコミッティーならでは! 正にOne & Onlyです。
ライアン・キソールがAutumn in New Yorkをマーチンコミッティーで演奏していますのでご覧下さい。この楽器のサウンドを非常に良く表現している思います。
レビュー
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