Vol.1につづいて、後半の6バンドと審査員の吉田さん、岡崎さんを迎えてのピックアップバンドのVol.2です。
Yuiken Big Band
このフェスティバル参加を目指して、2018年9月に発足したばかりのバンド。リーダーの油井賢也さんの声かけをして活動を始めたそうで、山野ビッグバンドジャズコンテストにも出場経験があるメンバーだそうです。
演奏曲目は、Winter Games, A Game of Inches, Dolphin Dance, Good Newsの4曲。
審査委員の岡崎さんのコメントは、「相当にハイレベルなバンドだと思います。細かで、かつレベルの高い事で、間違っているかもしれまえんが、リズム的な部分はピッタリ合ってる、けれど身体が自然に動くようなところがあって欲しい、Groovyと言うのか、ジャズでは一番難しいところで、自分もトライしているんですが、これが出てくると素晴らしい」との事でした。
Swingin’ Senior Jazz Orchestra
大坂大学軽音楽部Swingの関東在住OBによるビッグバンド。関西在住のOBのNew Wave Academy Jazz Orchestraの姉妹バンドで、20代から70代までの幅広いメンバーが年齢差を超えて終結し、笑いあり、涙あり、ボケあり、ツッコミあり!で楽しく厳しくまた精力的に活動されているそうです。
演奏曲目は、Easy Money, Ballad For A Rough Year, When Suney Gets Blue, Almost Like Being In Loveの4曲。
審査員の吉田さんのコメントは、「楽しまさせていただきました。全体的にスィングしていて、ドラムの音量が今までの中で一番大きいですが、これが適正なボリュームなんだと思います。ヴォーカルが入っているのが、ジャズの良い部分なのでとてもいいですね。」との事で、各ソリストについても絶賛のコメントされていました。
チャーリー後藤とモダンタイムス
ヤマノミュージックサロン有楽町で、10セントパート譜面を使用してダンスミュージックビッグバンドコースとしてストート。初心者やシニアを中心に、ジャズ好きなメンバーが集まり後藤裕二先生の指導の元で練習をされているとの事。10セントパート譜面というのは、戦前にアメリカで大量に販売された譜面で、曲ごとではなくてパート毎で、4~5人の小バンドでも演奏できるように編曲したものだそうです。
演奏曲目は、Sentimental Journey, 昭和ロマンメドレー、To Each His Ownの3曲。
審査員の岡崎さんのコメント、「これを持って粋というのか、昔のダンスホールの音楽で素晴らしいと音楽だと思います。その時代の音楽を現体験で聴いてらっしゃると思うので、昔はこういう音だったろうというサウンドが出ていて、実は勉強になりました」との事。
Blue Hard “H” Group
ブルーハードNグループを母体として、2014年にジャズ好きが集まった再結成したバントとの事。クインシー・ジョーンズ、サッド・ジョーンズ、バディー・リッチなどのアレンジの名曲を中心に、歌うアドリブと綺麗なサウンドを目指しているそうです。
演奏曲目は、Out of Nowhere, Ruby, My Dear, Straight No Chaser, Butterの4曲。
審査員の吉田さんのコメントは、「サウンドは経験を積まれている方が多いので、ちゃんとしていて、全体としてジャズ色が強い、ジャズが好きな方が演奏している感じです。ソロに比重があるので、アンサンブルもソロのようにスキット抜けて来ると良いし、セクション、個人によってリズムの取り方が違うというニュアンスがあるので、その辺を詰めるとさらに良くなると思います。」との事。
ミネストローネ・ビッグバンド
コンサートマスターが敬愛する本田雅人さんの楽曲だけを演奏するビッグバンド。昨年、所属していた大学のビッグバンドの後輩、高校時代の同級生、元職場の同僚で結成したT-Squareのコピーバンド=ミネストローネとして「すみだジャズ」に出演したそうです。
演奏曲目は、Bad Moon, Megalithの2曲。
審査員の岡崎さんのコメントは、「難しい曲を良く練習されていて素晴らしいと思います。本田さんの曲は、例えると排気量の大きい車を余裕で走らせるように、余裕で演奏できるようになれば細かいところも良く聞こえてくるようになるでしょう」 吉田さんのコメントは「2曲しか演奏してないので、時間一杯使って演奏したら良かった、、最後、練習不足で情け無い姿も見たかった(笑)」との事でした。
Basie the Last Decade Big Bnad Tribute To Count Basie and His Orchestra
カウントベイシー最後の10年(The Last Dacade)のライブ演奏に拘るバンドとして2015年、横浜で結成。今から40年前に、実際のこの目で見て、耳で聴き、そして肌で感じた当時のベイシーバンドを振り返り、残された限りある音源を参考にベイシーサウンドを追及しているそうです。
演奏曲目は、Sweet Georgea Brown, 920 Special, Black Velvet, Ja-Da, In A Mellow Tone, April In Paris, One O’Clock Jumpの7曲。
審査員の吉田さんのコメント、「最近聞いたベイシーのバンドの中で、プロも含めて、一番いいような感じです。集まったメンバーで適当にやるのでなく、皆音楽に対して敬意をもっているというのが伝わってとても良いと思います」との事で、各ソロイストへの詳細なコメントそして賛辞のオンパレードでした。
One Day Pick Up Band with 岡崎好朗、吉田治
最後、各バンドのピックアップメンバーにより模範演奏で締めくくりました。残念ながら私は列車の都合で最後まで聞けなかったのですが、ピックバンドの後は”YBBJFアワード発表”が行われて、次の3つのバンドがアワードを獲得しました。
YBBJFアワード BB! STUDIO BIG BAND
YBBJFアワード Basie the Last Decade Big Band Tribute to Count Basie and His Orchestra
YBBJFアワード(特別賞) チャーリー後藤とモダンタイムス
日本全国には、大小合わせて約300もの社会人ビッグバンドがあるそうです。各バンドが目指すサウンドは其々違うでしょうし、各メンバーがイメージするサウンドもまたバラバラなのだと思いますが、それがコンサートマスターのイメージにピッタリ合った時にベストのサウンドになるのだという事を、12のバンドを聴いて実感しました。他のバンドのサウンドを聴けて、また審査員のコメントを聴く事で大変勉強になると思います。ヤマノビッグバンドフェスティバルに参加する事の意義は、大ありだと思いました。