2月9日、恒例のYAMANO BIG BAND FESTIVALが江戸川区総合文化センターで開催されました。今年、12もの社会人バンドが参加し、晴れの舞台で日頃の練習の成果を発表していました。審査員にはトランペットの岡崎好朗さん、サックス、作・編曲家の吉田治さんが見えて各バンドにコメントされていましたが、大変示唆に富んだ深い内容もあって勉強になりました。 Vol.1は前半の6バンドについてご紹介いたします。
赤坂スィングオーケストラ
結成6年目の比較的若いオーケストラでサックスセクション9人、トロンボーンセクション6人という大所帯。2年前の参加では赤いシャツで揃えていましたが、今回は全員が赤のジャケットで存在感があります。審査員の吉田さんのこめんとで、バンドは半分は見てくれが重要とおっしゃっていました。
演奏曲目は、Beyond The Sea, Birdland, Lil Darlin’, 真珠の首飾, How High The Moon, 見上げてごらん夜の星を,Beyond The seaの7曲。Birdland では皆さんノッて演奏しているのが良くわかりました。
審査員の方のコメントをメモし忘れてしまいました。すみません。
Studio One Jazz Orchestra
東京都小石川高等学校のジャズビッグバンドクラブ、軽音楽研究会のOB/OGを中心に結成された社会人バンドとの事。創立から30年、大学生から50代の会社員までのメンバーで、意欲的な活動をしているそうです。
演奏曲目は、Inpulso, Sno’Peas, Roundabout, Jigsawの4曲。 審査員の吉田さんの曰く、「技術的には毎日楽器を吹いている方々が演奏しているような、コードもちゃんと意識してソロが細かなところまで行きついている、ビッグバンドでありながら実にジャズ的に楽しめる、、コメントに困るほど」との高評価をされていました。
BB! Studio Big Band
今回はバンド名をBB! Studio Big Bandと名称変更していて、山野ビッグバンドフェスティバルには毎回参加されているベテランバンド。東京都新宿区にある BB! STUDIO を拠点に活動しているビッグバンドで、舞台と客席が感動を共有できる理想の社会人ビッグバンドを目指しているとの事。
演奏曲目は、Ya Gotta Try Harder, But Not For Me, Kristi’s Waltz, Shiny Stockings, Back Homeの5曲。
審査員の岡崎さんのコメントは、「安心して聞いていられるバンドで、リズムセクションも良かった、細かい点を言うと、8分音符のソリの部分は表情がより豊かになると良い、自分がインプロバイズして、そのラインでソロを取れないとそのラインの意味が解らないので、ソロを取れるという事で共通の認識が生まれて来る、そうするとアンサンブルも豊かになる」との事。意味の深いコメントでした。
Tokyo Jazz Orchestra
Thad Jones &Mel Lewis Orchestra, The Vanguard Jazz Orchestraをこよなく愛するメンバーが集まって4年前に結成されたバンド。Thad Jones, Frank Foster, Bob Brookmeyer, Bob Mintzer Kenny Werner, Ed Neumeister, Ted Nash, Jim McNeelyなどの楽曲を中心に演奏しているそうです。
演奏曲目は、Quietude, Dolphin Dance, Ceora, Low Downの4曲
審査員の吉田さんのコメントは、「サド・メルのアレンジは自分が今何をやっているか自覚する必要があってプロでも難しい、ここまでやれるのは素晴らしい。リズムセクションがライブハウスでプロやってるようなまとまりがあり、ホーンセクションがリズムにくっついる印象もあるのでバランスを考えたら良い、音が全体的に綺麗で音程もしっかりしている」との事でした。
Honey Jazz Orchestra
ヤマノミュージックサロン池袋のジャズアンサンブルコースとして数名で始めたレッスンが、2016年からビッグバンドとして活動し始めたとの事。楽器を始めたばかりのメンバーも在籍するするそうです。皆さん黒のシャツと黄色のネクタイで決まっていました。
演奏曲目は、Jumpin’ At The Woodside, Sax To The Max, Blue Train, When I Fall In Love, St. Louis Bluesの5曲。
審査員の岡崎さんのコメント、「楽しさが伝わってくるような演奏でした。シンプルなアレンジの良い曲なので、2つの要素、リズムと構成的な事が重要、アンサンブルは必ず誰かと一緒に演奏するので個性的な音色と、リズムは誰かに合わせるのでは無くて、自分が常にリズムのキープしているという意識で演奏するとより一体感がでる」との事でした。
富士山燦々楽団
富士山が世界文化遺産に登録された2013年「国民文化祭やまなし」のステージをきっかけに結成されたバンド。メンバーは富士学苑高校のOBOG、指導者などだそうで、それぞれ大学で腕を磨いていた強者揃いとの事。
演奏曲目は、Ract To The Bridge, Satin Doll, All The Things You Are, On Fireの4曲。
審査員の吉田さんのコメントは、「ソリストの方々は上手な方が多く全体的にレベルが高い、セクション毎に大変良くまとまっているので、全体で聴くというよりセクションを聴いてしまう、楽器が技術的が高くなると楽器で何を表現するかというレベルになるが、より多彩の方法、いろんな音符の表現方法を工夫すればさらに良くなる、、女性の割合が多いが大変ダイナミックなサウンドです」との事でした。
山野ビッグバンドフェスティバル Vol.1につづきます。