世界最大の楽器見本市 2019年 NAMMショー @アナハイム 世界中から2000社以上が出店し、10万人以上が訪れる楽器の祭典

アナハイムで1月24日から27日まで開催されたNAMMショーに行ってきました。NAMMはNational Association of Music Merchantsの略で、118年もの歴史があります。参加メーカーは2,000社以上、ブランド数は6,000以上、訪問者数は10万人を超え、バイヤーのポテンシャル購入パワー合計はなんと10億ドル以上で、この種の見本市としては恐らく世界最大でしょう。

会場は、大谷選手の活躍するエンゼル・スタディアムから車で10分ほどにあるアナハイムコンベンションセンター。同球場のパーキングが利用できて、会場までのシャトルバスがひっきりなしに往復しています。

入口に設けられたステージでは4日間に渡り終日ライブイベントが模様されていますが、メーカーのブースでもあちこちでアッと驚くような有名ミュージシャンがすぐ傍でライブパフォーマンスをしています。ただスケジュールをチェックするにも、とにかく数が多すぎて簡単ではありません。

ライブに次々に地元のミュージシャンが加わってジャムセッションとなっていました。自分の楽器では無いのにとにかく、ノリノリのご機嫌なサウンドです。

最大の展示規模だったのは、マリオットホテル内で特設ブースを設けていたヤマハでした。たまたま訪れたところ、ボビー・シューさんがシューモデルのデモをされていて、幸運にもツーショットを撮る事ができました。彼は今はアリゾナ在住との事で、日本にも行きたいけれど足が悪いのでなかなか行けないのだとおっしゃっていました。

なんとその後、ウェイン・バージェロンさんも登場、ボビー・シューを囲んでの記念撮影となりました。一番左がボブ・マローンさんで、シューモデル、バージェロンモデルはもちろんニューヨーク、シカゴモデルを開発された方です。カメラが趣味でニコンファンとの事。私のと同じ最新のモデルを持っていました。

シルキーフィーチャードアーティスとのスティーブ・ディラードさんもシルキーブースに連日いらしてましたが、最終日にフリューゲル・ホルンを買ってました。以前に手放したシルバーの同じモデルが凄く良かったので、との事。

ずらっと並べられたBモデルとソロモデル。日本ではあまり見かけないB2,  B4もあります。反対側のテーブルにはSシリーズが展示してありました。どのモデルも自由に好きなだけ試奏ができて、まさにトランペット吹きの天国です。

右の方が、ベネットさんでリペアー担当のマネージャー、もちろんトランペット・プライヤーです。左の方はセールス&マーケティングの責任者のマイケルさん、彼はノースウェスタン大学のマスターを卒業されていてトロンボーン・プレイヤーです。この後1月29日にシカゴのシルキー本社を訪問する予定だったのですが、氷点下26度という記録的な大寒波でオフィスが閉鎖されてしまったため、残念ながら工場見学ができませんでした。次回は必ず行きます!

こんな小さな子がシルキーを吹いてました。スティーブさんの指導で身長の半分もあるトランペットを重そうに持ちながらもちゃんと音が出ています。超有名なスタジオプレイヤーのジェリー・ヘイさんは13か月からトランペットを始めたそうですが、子供の頃からやっていれば上手いわけですよね。

日本ではあまり知られていませんが、オランダのパーカッションのトップメーカーのADMASのブース。トランペットも全てハンドメイドで、コンステレーションの復刻モデルのA6、マーチン・コミッティーの復刻モデルのA9などユニークなラインアップがあります。オーナーファミリーの方でセールスマネージャーのミールさん曰く、1番の人気はヘビーウェイトモデルのA4 だそうです。

トロンボーンで有名なシャイヤーズですが、トランペットも魅力的なモデルが揃っています。セールス&マーケティングマネージャーのサマンサさん曰く、ドック・セベリンセンモデルDestinoIIIはもちろん、定番のAシリーズ、Bシリーズに加えて、フレンチベッソンの復刻モデルのCVPモデル、バーバンク・ベンジの復刻モデルのCVLAモデルは4種類ものボアサイズから選べますとの事。フランク・シナトラなどのリードだったチャーリー・デイビスさんも熱心に試奏されていました。

バック、キング、ホルトン、ルブランのメジャーブランドを抱えるコーン・セルマーの大ブースも見逃せません。バック・アーティストのリッチさんが持っているのは日本ではザ・ビッグ・コッパ―の名称ですがアメリカではマリアッチ・モデルと言われています。ウォーターキーのネジをナットドライバーで回して調整していましたが、なんども閉め具合によって音が変わるのだそうです。

カンサスシティーにあるハンドメイドのトランペットメーカーB.A.C.。日本ではほとんど知られてませんが、マイク・キャリガン氏が1999年に創業した新しい会社です。今の楽器ではなかなか得られない1930年~1960年の黄金時代のキャラクターのある音色を現代のテクノロジーで再現したかったのだそうです。ユニークなチューニングスライドの支柱は、バックやシルキーと並べた時にまず手に取ってもらえるようにデザインしたとの事。また往年の銘機のオールズのオペラモデルのマンドリルを入手したそうで復刻モデルが作れるのだそうです。

ラウカット夫妻がキッチンで作り上げたネックから始まったキャノンボールはサックスがすっかり定着していますが、トランペットも豊富なラインアップが揃っています。ドイツの職人が造っていますが、アメリカで検品、調整しているとの事。

ジム・モリソンが開発したモデルがあるオーストリアのメーカーのシャ―ゲルのブースも出展していました。ウィーンフィルの首席トランペットのハンス・ガンシュ氏も愛用しているメーカーです。左手でミュート操作がし易いようにベルをカーブさせた、ロータリートランペットのガンシュホーンが目を引いていました。

金管楽器のみならず木管楽器も世界中のメーカーが出店されていました。石森楽器さんのブースではウッドストーンモデルの試演にアーティストが次々と訪れていました。

全てのトランペットを試すには、1日では全く足りません。それにライブがあちこちであるし、またその他の楽器のブースも興味深い展示ばかりなので、4日間あっても足りない程です。

ブラス楽器のエリアは全体のほんの一部で、パーカッション、キーボード、DJ機器、マイクロフォン、ミキサー、PA機器など世界中のメーカーがブースに趣向を凝らしアピールしていました。しかし何と言ってもフェンダー、ギブソン、マーチンなどのギターのエリアは最新モデルの展示もあってダントツの人気です。白髪のミュージシャンがプロ・アマを問わず、列を作りながらも熱心に試奏している姿があちこちで見られ、アメリカの音楽シーンの計り知れない層の厚みを感じました。

NAMMショーはトランペット・プレイヤーのみならず、音楽好きなら、1度は訪れてみる価値大ありのイベントです。毎年1月の開催なのでエンゼルスの試合は見れませんが、ディズニーランドの観光も兼ねて訪れてみてはいかがでしょうか。


 

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